基礎知識を学ぼう

注:相続試算を行うに当たり、初級編を使う人が対象となっているため、実際の計算上求められるステップや特例等は一部省略しています。

1.法定相続人

法定相続人とは、被相続人(=相続される人)が亡くなったときに、相続する権利が民法上ある人をいいます。法定相続人は以下の4種類に属する方々のことをいいます。

配偶者 被相続人が男性の場合は妻、被相続人が女性の場合には夫をさします。ただし、婚姻関係のない内縁の妻や、いわゆる愛人には相続権がありません。
子供 実子や養子、内縁の妻や愛人の子供、胎児等をさします。該当する子供が既に亡くなっている場合は、孫、ひ孫をさします。ちなみに、これらの方々を「直系卑属」といいます。
父、母 被相続人の父、母をさします。なお、該当する父、母が既に亡くなっている場合は、祖父、祖母をさします。
兄弟姉妹 被相続人の兄や弟、姉や妹をさします。

上記の方々が必ず全員法定相続人となる訳ではありません。家族構成によって異なります。
まず、配偶者は常に法定相続人になります。それ以外の方は、以下の方法によって法定相続人になるかどうかが判別されます。

2.基礎控除

相続が発生した場合に、被相続人が財産を持っていたら必ず税金が発生するという訳ではありません。無条件で相続財産から引かれる基礎控除といわれるものがあります。まず相続財産の合計金額から5000万円は無条件で引かれます。
これに加えて法定相続人1人当たり1000万円引かれます。従って、相続財産から「5000万+法定相続人の人数×1000万」をひくことになります。この結果、相続財産がゼロになった場合は相続税がかからないことになります。

3.財産は何が含まれるか

いざ相続が発生したとして、相続税の対象となる財産にはなにが含まれるのでしょうか。
相続財産とは、故人の残した財産的な権利義務のすべてをいいます。権利とは土地などの不動産、現金や預貯金、動産などのプラスの財産で、義務とは借金などの債務で、マイナスの財産です。
プラスの財産からマイナスの財産を控除して残った分が正味の相続財産となります。
プラスの財産はより具体的には、

他にもゴルフ会員権、著作権、特許権等も財産として含まれます。
マイナスの財産としては、借入金や未払になっている税金等、未払の入院費、預かっている敷金等が含まれます。

4.相続申告の期限

相続が発生した場合、つまり誰かが亡くなったことを意味するので、通夜や葬式、法要等いろいろ忙しくなりますが、相続税に関してもいろいろ考慮しなければなりません。
相続に関しては以下のような期限が定められています。

■相続放棄・限定承認<3カ月以内>

相続人が被相続人の財産及び債務について一切の財産を受け入れないことを「相続放棄」といい、例えば、被相続人の負の財産である債務が正の財産よりも多い場合に「相続放棄」をすることによって負担を免れることができます。この意思表示は相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申術することが必要になります。
一方、被相続人の財産をすべて無限に承継することを「単純承認」といい、これに対し、正の財産の範囲内で負の財産を承継することを「限定承認」といいます。この「限定承認」は、相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。

■所得税準確定申告<4カ月以内>

不動産所得や事業所得などの所得税の確定申告が必要な人は通常、翌年3月15日までに前年分の所得の確定申告を行いますが、個人が死亡した場合には、その年の1月1日から死亡の日までの期間の所得を相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内に確定申告(準確定申告といいます)をしなければなりません。
この申告は相続人全員が納税者となり、被相続人の所得申告を行う義務があります。

■相続税の申告・納付<10カ月以内>

被相続人の遺産に対して相続税がかかる場合には、相続開始を知った日から10ヶ月以内に相続人全員が相続税の申告・納税をしなければなりません。

5.準確定申告

不動産所得や事業所得などの所得税の確定申告が必要な人は通常、翌年3月15日までに前年分の所得の確定申告を行いますが、個人が死亡した場合には、その年の1月1日から死亡の日までの期間の所得を相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内に確定申告(準確定申告といいます)をしなければなりません。
この申告は相続人全員が納税者となり、被相続人の所得申告を行う義務があります。

6.遺産分割協議書

亡くなった方が遺言を残していた場合は、その遺言の通りに財産を配分することになりますが、必ずしも遺言が残されているとは限りません。
その場合は、民法で定められている法定相続割合に基づいて相続人たちが財産を相続することになりますが、もう一つ方法があります。
基本的に相続人たちが皆で話し合って誰がどれだけ相続するかをきめることができます。その話し合いを遺産分割協議といい、結果として出来上がった書類を遺産分割協議書といいます。
遺産分割をいつまでにしなければならないということが法律で定められている訳ではありませんが、相続税を計算する上で遺産分割が終わっている上で、期限内に申告することで受けられる恩恵等もありますのでできるだけ、もめずに期限内に相続税申告ができるように遺産分割協議をすすられることが最良です。
また、遺産分割協議書の書き方について、特別な決まりはありません。遺産分割協議書は、本来相続人や第三者が見てその内容がにわかればいいのです。しかし、不動産の相続登記に使う遺産分割協議書については、一定の要件が必要になります。したがって、相続登記に使う場合も考えて遺産分割協議書を作成するとよいでしょう。